【5STEP】公務員退職の完全ガイド
こういったお悩みにお答えします。
- 頑張るほど激務が与えられる公務員の組織に絶望
- 公務員の労働環境が悪化していくと予想し退職
- フリーランス3年目には公務員時代の収入を抜き去る
- 好きな時間に寝起きする気ままな生活
筆者はこれまでに公務員を二度退職しました。その経験をもとにこのブログを書いているので、公務員の将来に不安を感じている人や公務員からの退職を考えている人の参考になれば幸いです。
- 【STEP1】公務員退職をとりまく現状を知ろう
- 【STEP2】ホントに公務員を退職すべきかどうか考えよう
- 【STEP3】公務員を退職する前に準備をしよう
- 【STEP4】退職金の計算と支給条件を知っておこう
- 【STEP5】さあ、公務員の退職手続きを始めよう
- 知っておくとおトクな退職後の手続き
- 公務員退職に関するQ&A
あなたが知りたい項目へジャンプしてお読みください。
- このブログはnote記事とアフィリエイトの収益で運営されています。
【STEP1】公務員退職をとりまく現状を知ろう
「公務員を今すぐ辞めたい!」という人もそうでない人も、まずは公務員の退職をとりまく現状を把握しておきましょう。正しい知識を身につけなければ正しい判断ができませんからね。
そんな公務員の現状ですが、残念ながら若手を中心に、退職する職員の数が年々増え続けています。
国家公務員
出典元:NHK
NHKの報道によると、採用後10年未満で退職した国家公務員総合職の人数が2013年以降で過去最高を記録しました。
地方公務員
出典元:Yahooニュース
Yahooニュースによると、地方公務員一般行政職のうち2022年度に主に自己都合で仕事を辞めたのは1万2,501人。約10年で2.2倍になっています。
若手を中心とした公務員の大量退職はすでに始まっており、今後はより一層加速していくでしょう。多くの職員が公務員に見切りをつけて、退職しているのが現状なのです。
労働環境の悪化が大きな原因
公務員の退職者数が増え続けている主な原因として、公務員の労働環境が悪化していることが挙げられます。その結果、精神的に追い詰められてメンタルヘルスに不調をきたす人も。
地方公務員安全衛生推進協会が令和4年度に実施した、”地方公務員健康状況等の現況”によると
精神・行動障害による長期病休者の数が15年前の約2.1倍と激増しています。職場での人間関係や業務の質・量など、公務員の労働環境が悪化していることを示す一つの根拠となるのではないでしょうか。
さらに絶望的なことに、公務員の労働環境は今後ますます悪化していきます。
その理由や
- あなたをとりまく労働環境がどんどん悪化してしまうのはなぜか?
- あなた個人はどんな状況に追い込まれるのか?
- 悪化していく労働環境の中、あなた自身を守るにはどうすればいいか?
これらの重要なポイントについては以下のnoteで1万3千文字かけてガッツリと解説しています。
【STEP2】ホントに公務員を退職すべきかどうか考えよう
- このまま公務員として働き続けていいのか不安
- 思い切って退職すべきなのかどうか悩んでいる
- 退職後に後悔してしまうのではないか心配
こんな人はこのSTEPから読み始めてください。あなたが公務員を退職すべきかどうかを改めてよく考えましょう。
公務員を辞める人の特徴は以下の記事で詳しく解説しています。
なによりも重要なのは、退職後にあなたがどうするのか。
- 民間企業に転職する
- フリーランスになる
- スキルを習得する
- 一旦休む
などなど様々な選択肢がありますが、メンタルに余裕がある状況なら、あなたに合った方法で収入を確保できるようにしっかりと準備をしましょう。
年代別によって最適解が変わる
「公務員、辞めようかなぁ…」と同じように悩んでいるとしても、年代によっておすすめの選択肢は変わってきます。
20代・30代の若手であれば民間企業への転職やフリーランスへの転身がおすすめ。
年功序列制度の公務員組織では、若いほど給与額が安くなり損をしている状態ですからね。逆に言えば、成果主義の世界へ足を踏み入れることによって待遇が上がるケースが多いでしょう。
一方、40代以上ならそのまま公務員として定年まで働き続けるのがおすすめです。せっかく給与が上がってきた現状で退職するのはもったいなく感じてしまいますね。
とはいえ、精神的に限界を迎えているなら話は別。なりふりかまわず退職しましょう。あなたの心身の健康を守れるのはあなたしかいません。STEP5に飛んでください。
年代別の詳しい解説は以下の記事をお読みください。
公務員を退職して後悔する人も
しっかりと考えたうえで公務員を退職しないと、後悔してしまうケースもあります。いくら職場に不満があるとはいえ、安定した給与や福利厚生はやはりありがたいものですからね。
後悔してしまう主な理由は以下の記事でまとめています。
【STEP3】公務員を退職する前に準備をしよう
公務員を退職する前に
- 引っ越し
- クレジットカードの作成
- 副業の準備
このあたりをやっておくのがおすすめです。なお公務員として疲弊し、肉体的・精神的に限界を迎えているような人は飛ばしてSTEP5に進んでください。
公務員は高い社会的信用を持つため、入居時やクレジットカード作成時の審査に通りやすい職業です。大手企業に転職するならともかく、フリーランスや無職になる場合、その後思うように引っ越しやクレカ作成ができなくて不自由な思いをすることも…。
すでにクレカを持っている人も、後々困らないようもう1枚カードを作っておいてもいいかもしれませんね。
また、副業の準備をしておくのもおすすめです。在職中に稼ぎ始めてしまうと違法行為になってしまいますが、金銭が発生しない作業や勉強ならまったく問題ありませんからね。始める副業はブログでも動画編集でもプログラミングでも構いません。
公務員はお金を稼ぐ仕事ではないからこそ、在職中に稼げるスキルを身につけておくと様々なシーンで選択肢が広がります。極端な話、自分の力で生活費を稼げるのであれば、いつでも気軽に仕事を辞めることだって可能に。
筆者が現役の公務員なら、退職前にあらかじめブログを始めておくでしょう。ブログは集客~販売までの知識がつくため、将来ほかの稼ぎ方をするときにも応用できます。
とりあえず広告などを貼らずにブログを育てておき、退職したタイミングで広告を貼って収益化すればOK。
「ブログなんてうさんくさい」と思う人もいるでしょうが、筆者は実際にブログで月50万円以上稼いだ経験があります(もちろん公務員退職後です)。公務員は頻繁に文章を読み書きする職種のため、ブロガーに向いている人は多いのではないでしょうか。
【STEP4】退職金の計算と支給条件を知っておこう
退職金の支給条件
公務員の退職金(退職手当)は勤続1年目から支給されます。支給されないケースは非常に限られており
- 懲戒免職等処分を受けて退職した場合(退手法第12条第1項第1号)
- 失職した場合(同法第12条第1項第2号)
- 在職期間中の非違行為に係る刑事事件に関し、退職後に禁錮以上の刑に処せられた場合(同法第14条、第15条及び第17条)
- 退職後に、在職期間中の非違行為が発覚し、それが懲戒免職等処分相当の行為であると認められた場合(同法第14条から第17条まで)
これらのように、なんらかの違法行為などを行った場合のみです。
定年退職はもちろん、自己都合退職する人も基本的には全員支給されると考えてよいでしょう。
退職金の計算
国家公務員の退職金は
- 退職手当=基本額(退職日の俸給月額 × 退職理由別・勤続期間別支給割合)+ 調整額
で求められます。複雑に感じる人もいるかもしれませんが、ダントツで大事なのが”退職理由別・勤続期間別支給割合”。退職時の棒給月額に掛け算されるため、この割合が1上がるだけで棒給分(=数十万円)の退職金が増えます。
この退職理由別・勤続期間別支給割合は
出典元:内閣官房
このように定められています。ちょっとわかりづらいので、この記事をお読みのあなたに関係するであろう”自己都合退職”の部分を抜粋してグラフ化してみましょう。
勤続年数に比例して支給率が上がり、最大47.709で頭打ちになります。
例えば、退職時の棒給が20万円で勤続年数が10年だとすると退職金は200,000 × 5.022 ≒ 100万円。
棒給額が20万円のままでも勤続年数が15年なら200,000 × 10.3788 ≒ 200万円。たくさんの退職金を受け取りたいなら勤続年数を増やすことが最も効果的です。
地方公務員に関しては自治体ごとに多少の金額差があるので、詳しくは勤務先の自治体が公表している数値をご確認ください。
【STEP5】さあ、公務員の退職手続きを始めよう
- 退職を決意
- 数ヶ月前~数週間前:上司に報告
- 数ヶ月前~数週間前:引き止めなどの交渉
- ~数週間前:退職願の提出
- 数週間~1週間前:引き継ぎや残務処理
- 1週間前~当日:貸与品や身分証明書の返却
- 当日:挨拶回り
実際に公務員を退職するときには、おおむねこのような流れで進んでいきます。
特に多くの人が気になるのが“退職をいつ・どのように報告すべきか”という問題でしょう。
職場への報告や退職願の提出時期について法律上の定めはありませんが、自治体によっては服務規程で制限しているケースがあります。可能であれば退職の2ヶ月前~3ヶ月前くらいから動き出したいところですね。
各手続きの細かな解説や注意点については以下の記事をお読みください。
知っておくとおトクな退職後の手続き
公務員を退職したあとはさまざまな手続きが必要になります。
転職する人もしない人も、退職後の貴重な時間をムダにしないためにもあらかじめチェックしておくのがおすすめです。
失業保険
公務員は雇用保険に加入していないため、いわゆる失業保険(失業手当)の支給対象にはなりません。
その代わりとなるのが退職手当…なのですが、勤続年数が少なくて十分な金額を受け取れないこともありますよね。
そんな人を救ってくれるのが「失業者の退職手当」という制度です。要件を満たしていれば、失業保険と同レベルまでの支給を受けることができます。
国民年金
公務員を退職した後の年金手続きは、あなたの進路により3パターンに分かれます。
特に転職しない場合は退職日の翌日から14日以内に国民年金への手続きが必要になるため注意しましょう。
源泉徴収票
所得税法に基づき、退職後1ヶ月以内に源泉徴収票が交付されます。源泉徴収票は「給与所得」「退職所得」それぞれが送付されてきます。年末調整などさまざまな手続きに使うため紛失しないよう保管しておきましょう。
公務員退職に関わるQ&A
公務員の退職に関して、よくある質問に回答していきます。
Q.退職を切り出しにくい…。退職代行って使える?
A.公務員でも退職代行を使って退職することは可能です。ただし一般業者では対応できないため、弁護士による退職代行サービスを選びましょう。
Q.退職前に、余ってる年次休暇はどうしたらいい?
A.必ずすべて使い切りましょう。なにもせずにもらえる数十万円をドブに捨てる必要はありません。
Q.一度提出した退職願って撤回できる?
A.任命権者の承認前なら可能です。できる限り早く撤回の意思を伝えましょう。
Q.月途中で退職したときの給料は?
A.給与と一部の手当は日割り計算されます。日割り計算されない手当もあるので事前に確認しておくのがおすすめ。
Q.新卒・半年で退職するってヤバい?
A.いいえ、わりといますよ。合わなかったらしゃーない。組織としてはベテラン職員に退職されるほうがキツいです。
Q.退職について悩んでるんだけど、誰に相談すればいい?
A.あなたの悩みによって最適な相談相手は異なります。職場環境に関する悩みなら職員組合、退職後の不安ならプロのキャリアコーチングなど、あなたの状況に応じて選びたいですね。
Q.退職後、財形貯蓄ってどうなるの?
A.退職後に再就職するかどうかなどによって財形貯蓄の取り扱いは異なります。
Q.退職後、給料はいつまで振り込まれる?
A.公務員は当月締めの当月払いなので、退職した当月で終わりです。退職した翌月には給料が振り込まれないため気をつけましょう。
Q.突然退職すると、損害賠償請求されたりしない?
A.退職が理由で損害賠償請求されてしまうことはほぼあり得ません。そもそも公務員が退職するには任命権者の許可が必要。
退職を許可しておいてやっぱり損害賠償を請求する、なんて非現実的な可能性を考慮する必要はないでしょう。
Q.退職後も守秘義務は継続する?
A.はい。職務上知り得た秘密は退職後も漏らしてはなりません。退職後に書類送検された職員もいるため注意しましょう。
Q.退職後、離職票ってもらえるの?
A.公務員に離職票は発行されません。「失業者の退職手当」の受給要件に該当する職員には、離職票の代わりに退職票が交付されます。
すでに始まっている”公務員の泥船化”
公務員の労働環境は今後どんどんブラック化していきます。
- あいつ俺より働いてないのに給料は俺より上…やってらんね~よ
- 俺の仕事、周りと比べてやたら多くないか!?
こんなふうに思ったことがある人は要注意。このまま働き続けていると、あなたをとりまく労働環境の悪化によって心身の健康を損ね、人生が台無しになってしまうかもしれません。
公務員組織からは優秀な人材がどんどん流出していき、もはや沈みゆく船。あなたはこの泥船とどのように付き合っていきますか?
詳しくは下記のnoteをお読みください。約1万3千字で公務員の将来像についてガッツリと解説しています。
泥船と知りつつこの船に乗り続けるのか、それとも逃げ出すのか…その判断をする一助になれば幸いです。