「言っちゃダメ」公務員を退職後も守秘義務は継続する

退職


こういったお悩みにお答えします。

公務員は在職中に知り得た情報や機密事項に関して、法律で守秘義務が課されており、これは退職後も変わりません。退職後であっても守秘義務を違反すると、法的な処罰を受ける可能性があるため、公務員として知った情報を適切に扱うことが重要です。

この記事では

これらについて解説していくので、最後まで読むと守秘義務について正しく理解し、違反してしまうリスクを下げることができます。

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公務員を退職後も守秘義務は継続する

公務員を退職した後でも、守秘義務は継続します。

国家公務員 第100条

(秘密を守る義務)職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

地方公務員 第34条

(秘密を守る義務)職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

このように、国家公務員法・地方公務員法でほぼ同じ内容が定められています。

公務員はその性質上、多くの個人情報や機密事項を扱う職務。退職した瞬間に情報をばらまき放題だったら大変なことになってしまいますからね。

どんな情報が「秘密」になるの?

具体的には、人事院が発行している義務違反防止ガイドブック

本条の「秘密」とは、非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保
護するに値すると認められるものをいうこととされています。
一般に、外交交渉に関する情報、入札情報、個人情報など外部に漏れると国や個人の利益を著しく侵害したり、事前に内容を漏らすことが行政の遂行を阻害したりする事項などは、秘密にしなければなりません。
「職務上知ることのできた秘密」とは、職員が職務に関連して知り得た全ての秘密を言います。したがって、例えば、税務署の職員が税務調査によって偶然知り得た納税者の家庭的事情なども含まれます。

このように解説されています。

情報そのものの性質に加え、時点によっても秘密かどうかが変わるのは注意したいところ。もともとは秘密であった事項でも、世間一般に公表された後は秘密とはなり得ませんからね。

守秘義務違反は懲役刑もあり得る

守秘義務に違反した場合は、国家公務員法・地方公務員法で

一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する

と定められています。

漏洩した情報の種類によっては、さらに重い罰が科される場合も。

住民基本台帳法第42条では

第三十条の二十六又は第三十条の三十(これらの規定を第三十条の四十四の十三において準用する場合を含む。)の規定に違反して秘密を漏らした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

と定められており、住民基本台帳の情報はより厳重に守秘されるべき、と考えられているようですね。

守秘義務に違反すると懲戒処分も対象に

守秘義務に違反する行為をしてしまうと、上記の刑事罰に加え懲戒処分の対象にもなります。

国家公務員に関しては、懲戒処分の指針についての中で

秘密漏えい
    ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職とする。
    イ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

このように定められています。

「かなり重い」と感じる人が多いのではないでしょうか。自身の故意による漏洩ではなく、対策を怠ったことで情報を漏洩させた場合にまで懲戒処分の対象となってしまいます。

退職後に守秘義務違反で罰された事例

少し古い事例ですが、退職後の警察官が守秘義務違反で書類送検されたケースがあります。

部外秘の「要人警備マニュアル」など、京都府警の執務上の資料約50点がネットオークションで売買されていたことが10月初めに明らかになり、物議をかもした。京都府警は、資料を流出させたとして、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで、元警察官の男性(51)を書類送検した。
出典元:livedoor News

部外秘のマニュアルを知人に渡し、その知人がネットオークションに出品したようです。「秘密をうっかりしゃべってしまった」というわけではなく、かなり極端な事例ですね。

公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法


残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。

  • ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
  • 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
  • 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない

こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。

筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。

しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。

そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。

もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。

定年まで健康に過ごせるとはとても思えませんでした

公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。

ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?

あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。

各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。

  • 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
  • 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること

下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。

  • 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
  • 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策

記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。

記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと

  • 元公務員として、内側からの視点
  • フリーランスとして、外側からの視点

この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。

「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。

note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。

無料部分では「このnoteを買うべきではない人」についても明記してあります

※販売部数が増えるごとに値上げしていく予定なので(購入していただいた方に申し訳ないので、値下げは絶対にしません)、購読するならお早めにどうぞ。

『公務員を退職後も守秘義務は継続する』のまとめ

公務員の守秘義務は、退職後も継続する重要な義務です。退職後も職務上知り得た機密や個人情報を漏らすことは法律違反であり、違反すれば刑事罰の対象となってしまいます。退職後のキャリアや生活に支障をきたさないためにも、情報管理を徹底し、法令を遵守することが公務員の責任です。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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