【体験談】公務員を退職後に後悔しないための対策5つ
こういったお悩みにお答えします。
近年、若手を中心に公務員を退職する職員が増えていますが、公務員を辞めることで失うものがあるのも事実です。安易に退職してしまうと「あのとき辞めなければよかった…」と後悔するケースも。
この記事では
これらについて解説していくので、最後まで読むと退職後に後悔しないための具体的なアドバイスがわかります。
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。
公務員を退職した人が後悔しがちな理由5つ
公務員を退職した人が後悔しがちな理由は以下の5つです。
- 安定した収入と雇用の喪失
- 転職後の待遇悪化
- 転職市場での評価のギャップ
- 人間関係の変化
- 周囲からの反対や誤解
安定した収入と雇用の喪失
公務員を辞めた人から最も多く聞かれる後悔の理由は、安定した収入や雇用の喪失です。
公務員は基本的に解雇されることがなく、給料の額も人事院勧告に基づいて年功序列方式で決められています。そのため社会的信用が高く、クレジットカードが作りやすい・ローンが組みやすいなどのメリットが。給料が極端にアップダウンすることがないため、将来の計画が立てやすい職業と言えるでしょう。
給料以外に福利厚生が充実しているのも魅力です。ボーナスや年休・育休など、ワークライフバランスを重視した人生を送るための制度が用意されているのもありがたいですね。…まあ制度があるだけで、自由に使えるかどうかは別の話ですが。
公務員を退職することで給料が不安定になり、現在抱えているローンの返済や老後の生活資金が心配になってしまう人も。
転職後の待遇悪化
公務員を退職して民間企業に転職した場合、公務員時代よりも収入などの待遇が悪化してしまう可能性があります。
今や民間企業は過半数が成果主義を導入している時代。成果が出せない人は、年功序列の公務員よりも給料額が下がってしまうでしょう。
「年齢というものさし」と「成果というものさし」のどちらで測られたほうが有利なのか、公務員を退職する前にあなた自身の能力を客観的に調べておきたいところですね。
言葉を選ばずに書くと「無能な人が公務員を辞めるとツラいかもよ」という話です。
損をし続けることになります
転職市場での評価のギャップ
公務員としてのスキルや経験が、民間企業での評価と結びつかないケースもあります。
公務員はそもそもお金を稼ぐ仕事ではありません。そのため、ほかの条件が同じであれば、公務員よりも民間企業(特に同業種の会社)出身の既卒を採用したいと考える企業も多いです。
こうした評価のギャップが、結果として転職先の待遇悪化を招くことに。最終先の企業がなかなか決まらないことも想定されますし、やっと就職できたと思っても公務員時代のほうが労働環境がよかった、なんてことになりかねないのです。
人間関係の変化
公務員を退職することで、職場での人間関係やコミュニティとは完全に切り離されます。
転職活動中やフリーランスとして生活している期間は、他人とコミュニケーションをとる機会が減り孤独を感じるかもしれません。成果が重要視される会社では、プレッシャーを感じることも。
成果主義の民間企業では、社員どうしがライバル関係になるケースもあります。ドラマなどで営業マンが成績を競っているシーンを見たことがある人も多いでしょう。
社員どうしが競争する関係では、知識やノウハウを優しく教えてもらえるとは限りません。わざわざ自分のライバルを育てるようなものですからね。
年功序列の公務員という組織での人間関係とは雰囲気が違うと感じることも多いでしょう。
フリーランスになる手もありますよ
周囲からの反対や誤解
家族や友人など、公務員は安定だという古い価値観を持ったままの人から「もったいない」と反対や誤解を受けてしまうことがあります。
特に「公務員は一生安泰だ!」と思い込んでいる親世代の人には、なかなか理解されないかも。外部の人は公務員の仕事内容や職場環境の実態はわかりませんからね。
自分なりの考えをしっかりと持ち、自分で決めた道を歩いているぶんには問題ありませんが、よく考えずに退職してしまうとツラいかもしれません。
公務員を退職して後悔しないための対策5つ
公務員を退職して後悔しないために、以下のような対策をとっておくのがおすすめです。
- 退職前にキャリアプランを明確にする
- 転職先の情報をしっかりリサーチする
- 退職後の生活設計を考えておく
- 公務員の異動や部署変更を検討する
- 相談できる窓口を活用する
退職前にキャリアプランを明確にする
公務員を退職する前に、自分の将来的なキャリアプランを具体的に考えておくのがおすすめ。次にやりたいことや転職先が決まっていれば、周りの理解も得やすいでしょう。
あなたの強みや弱み・特徴を客観的に分析し、それを活かすことができるような働き方をしたいですね。(在職中の筆者のように)公務員になってから思考停止で過ごしている人が多いと思いますが、改めて自分を見つめ直してみましょう。
「自分ではさっぱりわからない…」という人は一度プロに相談してみるのがおすすめ。広い視野を持っているキャリアの専門家が、あなたが思いつかないような角度からの意見や、あなたにぴったりの選択肢を提示してくれますよ。
最適な進路を選ぶことができません
転職先の情報をしっかりリサーチする
民間企業への転職を検討している人は、公務員退職前に転職先の企業や業界の情報についてしっかりとリサーチしましょう。労働環境や給与体系・福利厚生などの情報を事前に確認することで、退職後のギャップを減らすことができます。
可能であれば、直接その会社や業界にいる知人などからも情報収集をしたいところ。転職後すぐにまた次の転職を検討するようなことにならないよう、自分に合っていそう・長く働けそうな会社を選びたいですね。
退職後の生活設計を考えておく
公務員を退職した後は収入が一時的に途切れてしまうため、その間の生活設計をしておきましょう。公務員は雇用保険の対象外のため、退職後に失業手当を受給することができません。
退職手当(いわゆる退職金)は支給されますが、大した金額ではない場合も多いです。特に若くて勤続年数が短い人は、数ヶ月分の生活費になるかどうかも怪しいでしょう。
すぐに再就職することが決まっている場合はいいのですが、間が空く・スキルアップなどのために空白期間を設ける場合は公務員のうちにある程度貯蓄をしておきたいですね。
公務員の異動や部署変更を検討する
公務員として在職中に、異動や部署変更などを交渉してみるのもおすすめです。
ここで勘違いしてほしくないのですが、「退職というカードを使って交渉すると、あなたの問題が解決される」などとお伝えするつもりはありません。後々「在職中にやるだけやったけどダメだった」と振り返れたほうが後悔しないのではないか、というだけです。
人事異動はあなた一人の都合のみで決められるものではありません。どこに異動するにも必ず相手がいるため、ムリヤリあなた一人を動かすと玉突きのように多くの職員に迷惑がかかってしまうのです。
さらに、万が一交渉がうまくいき、あなたが希望どおりの席に異動できたとしても本質的な問題解決にはなりません。数年もしたら、どうせまた同じ問題が発生するでしょう。
「交渉を通すこと」ではなく「できることはやった」と思えるように一度交渉してみてもよいのではないでしょうか。
相談できる窓口を活用する
公務員の退職に関しては専門の相談窓口を活用することも重要です。自分一人で抱え込まず、専門家や信頼できる人に相談しましょう。メンタルを病んだ状態で(かつ、だれにも相談せずに)判断すると、後悔の原因になることも…。
現在ストレスによりメンタルヘルスが不調になっている人は、職員組合などが運営しているメンタルケアの窓口に相談するのがおすすめです。
退職後のキャリアに関して不安な人、プロのキャリアコーチングサービスなどで相談しましょう。「キャリアプランを明確にする」の項目でも述べたとおり、あなた一人では思いつかない選択肢を示してもらうことができます。
【体験談】公務員を退職した筆者の末路
筆者はこの記事を書いている時点で退職後3年と少し経過していますが、フリーランスとして楽しく暮らしています。
好きなことだけをしてお金を稼ぎたいなぁ…というワガママな思考でさまざまな作業をしているのですが、退職後3年目には公務員時代の収入を抜くことができました。
今後どうなるかわからず不安な面もありますが、公務員時代と比べてストレスが激減したことは間違いありません。
筆者がなにをやってきたかという具体的な内容については長くなってしまうため割愛。いずれnoteに別記事としてアップする予定です。
公務員を退職したことについてまったく後悔はしていませんが、全員が「公務員を辞めるべき」とは思っていません。辞めるべきなのはどんな特徴の人なのか、今後の公務員を取り巻く状況はどうなっていくのか、そのあたりは下記noteで詳しく解説しています。
公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。
- ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
- 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
- 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない
こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。
筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。
しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。
そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。
もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。
公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。
ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?
あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。
各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。
- 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
- 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること
下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。
- 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
- 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策
記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。
記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと
- 元公務員として、内側からの視点
- フリーランスとして、外側からの視点
この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。
「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。
note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。
※販売部数が増えるごとに値上げしていく予定なので(購入していただいた方に申し訳ないので、値下げは絶対にしません)、購読するならお早めにどうぞ。
『【体験談】公務員を退職後に後悔しないための対策5つ』のまとめ
- 安定収入や雇用の喪失が最も多い後悔の原因
- 後悔しないために次の進路をしっかり検討しよう
- 一人で悩まずプロに相談するのがコツ
退職は大きな決断であり、人生の転機です。十分な準備を心がけ、公務員より素晴らしい環境を手に入れましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。