【退職後も関係あり!】公務員の懲戒処分4種類を解説!
こういったお悩みにお答えします。
公務員としてどのような行動をすると懲戒処分を受けてしまうのか心配ですよね。しっかりと把握しておかないと思わぬ処分を受け、退職金にまで影響してしまう可能性も…。
この記事では
これらについて解説していくので、最後まで読むと懲戒処分によるリスクを最小限に抑える方法がわかります。
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。
公務員には4種類の懲戒処分がある
公務員に下される可能性のある懲戒処分は
- 戒告
- 減給
- 停職
- 免職
これら4つです。
戒告
戒告は、公務員としての職務上の軽微な違反や、不適切な行為があった場合に与えられる最も軽い懲戒処分です。この処分を受けた場合、口頭または書面で注意され、反省を促されます。
減給
減給処分は、公務員の給与の一部を一定期間にわたり減額する処分です。通常は職務上の過失や規律違反などが原因で科されます。減給される額や期間は、具体的な違反内容や組織の判断によって異なりますが、最大で1年間、給与の5分の1まで減額することが可能です。
停職
停職処分は、一定期間の間、公務員としての職務を停止される懲戒処分です。この期間中、給与は支払われず、職場に出勤することも禁止されます。停職処分は通常、重大な規律違反や不祥事があった場合に科される処分で、停職の期間は違反の内容に応じて数日から1年にわたることがあります。
免職
免職は、最も重い懲戒処分であり、公務員の地位を剥奪され、強制的に退職させられる処分です。職務上の重大な過失や違法行為があった場合、または組織に対して重大な損害を与えた場合に科されます。免職となると、公務員としての信用が完全に失われ、即座に退職となります。
上記は国家公務員にケースで、自治体によっては異なる基準を設けている場合もあります。また訓告・注意など、戒告よりも軽い処分が設定されているケースもありますが、これはらあくまでも指導の一環であり厳密には懲戒処分ではありません。
国家公務員における懲戒処分の標準例
具体的にどんな不祥事を起こすとどの程度の懲戒処分を科されてしまうのでしょうか。国家公務員の例を見てみましょう。地方公務員に関しても、おおむね国に準拠して設定されているはずです。
出典元:人事院ホームページ
発生頻度が多そうなものとして
- 遅刻・早退:戒告
- 公文書の紛失:停職~戒告
- 許可のない兼業:減給・戒告
- 交通事故(人身・飲酒なし):減給・戒告
このあたりには特に気をつけたいところですね。
懲戒免職の場合は退職手当にも影響
在職中に懲戒免職処分が下されると、退職手当の全部または一部が不支給となる場合があります。
出典元:総務省
退職後に「在職期間中の犯罪」が発覚した場合も、退職手当の支給停止や返還が求められるなど、かなり厳しい措置が待っていると言えるでしょう。
なお「もうすぐ懲戒免職されそうだから、その前に退職願を出そう」と企んでも、そもそも退職願が承認されず退職できないと考えられます。
懲戒処分は不服申し立ても可能
万が一あなたに懲戒処分が科された場合、不服を申し立てることによって処分が取り消される可能性があります。
不当であると感じた場合は
- 国家公務員:人事院
- 地方公務員:各人事委員会
これらの組織あてに「不利益処分の審査請求」をすることで、「この処分が妥当かどうか」を審査してもらいましょう。
京都市:懲戒免職処分の取り消し
京都市では平成21年の裁判で、酒気帯び運転等を理由とする懲戒免職処分が「社会観念上著しく妥当性を欠き,裁量権を濫用したも
のである」として取り消されました。
参考:裁判所ホームページ
春日井市:戒告処分の取り消し
愛知県春日井市では平成16年の裁判で、欠勤を理由として戒告が不当であるとして処分の取り消しが認められました。
参考:裁判所ホームページ
このように、一度下された処分が取り消されている例もあります。特に春日井市の件は、上司の承認を受けて研修に行っていたにもかかわらず「通常業務を欠勤した」として戒告処分が出されていたようです。とんでもない話ですね。
懲戒処分も審査請求も、ほとんどの職員には全く関係ないとは思いますが…。
懲戒処分よりも健康を重視しよう
筆者の公務員生活の中でも、身近な職員が懲戒処分を下された事例は思い当たりません。
他組織の人が「飲酒運転+事故で懲戒免職になった」という話を人づてに聞いたことがあるくらい。あなたの身近にも、それほど多くの処分者はいないでしょう。
その一方、精神などを病んで休職や退職をする職員の数はかなり多いです。
これは地方公務員に関するグラフですが「精神および行動の障害」を原因として長期病休をしている職員の数は年々増え続けています。10年前の1.8倍・15年前の2.1倍ととんでもない増加っぷり。
あなたの人生を長期的に考えたときに、懲戒免職で失職するリスクよりも、心身の健康を損なって退職に追い込まれるリスクのほうが高いのではないでしょうか。
公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。
- ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
- 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
- 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない
こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。
筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。
しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。
そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。
もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。
公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。
ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?
あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。
各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。
- 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
- 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること
下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。
- 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
- 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策
記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。
記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと
- 元公務員として、内側からの視点
- フリーランスとして、外側からの視点
この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。
「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。
note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。
※販売部数が増えるごとに値上げしていく予定なので(購入していただいた方に申し訳ないので、値下げは絶対にしません)、購読するならお早めにどうぞ。
『公務員の懲戒処分4種類を解説!』のまとめ
公務員が不祥事を起こすと、4種類の懲戒処分が下される可能性があります。最も重い懲戒免職処分になると、退職手当が不支給になることも。
一方で、不当な処分が下されるケースもあるため、万が一の時は不服申し立てをしましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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