「なにから始めれば…?」公務員退職手続きの流れ【5STEP】
こういったお悩みにお答えします。
公務員を実際に退職するとき、全体の流れがわかっていないと段取りを組むことができません。場合によっては、そのせいで思うように退職ができなかったり、転職先に迷惑をかけてしまったりすることも…。
この記事では
- 公務員退職手続きの流れ【5STEP】
- 【STEP1】直属の上司に報告
- 【STEP2】面談による引き止め
- 【STEP3】退職願の提出
- 【STEP4】最終勤務日まで:引き継ぎや残務処理
- 【STEP5】退職日:辞令交付・挨拶など
- 退職手続き中にトラブルが起こったら…
- 公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
これらについて解説していくので、最後まで読むと公務員の退職手続きに関する全体像や具体的なフローがわかります。
2~3ヶ月前から動き出しましょう
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。
公務員退職手続きの流れ【5STEP】
公務員が退職するときの大まかな流れは上図のとおり。
- STEP1:直属の上司に報告
- STEP2:面談による引き止め
- STEP3:退職願の提出
- STEP4:引き継ぎ・残務処理
- STEP5:辞令交付・挨拶
退職までのスケジュールを立てるときは、いつから年休消化期間に入るのかを決めることが大事です。曖昧なまま手続きを進めてしまうと、気づいたときには年休を使えないまま退職日を迎えていた、なんてことになりかねません。
年休を余らせたまま退職するのは数十万円~百万円をドブに捨てる行為。今後のあなたの人生のために、1日残らず使い切りましょう。
とはいえ、気まずかったり上司に反対されたりでまとまった年休を取りづらいという人もいるはず。そんな人は以下の記事をお読みください。退職時の年休取得に関するメリットや注意点について解説しています。
【STEP1】直属の上司に報告
退職を決意したら、まずはあなたの直属の上司に口頭で報告しましょう。いきなり退職願を書く必要はありません。その後の交渉等によって退職という選択そのものや退職日などが変わる可能性がありますからね。
上司へ報告するタイミングについて法的な決まりはありませんが、余裕があれば退職希望日の2ヶ月~3ヶ月前から動き出すのがおすすめ。急な報告だと組織からの反発が強くなってしまいます。
また、この際には退職理由や退職日をなるべく詳細に伝えておきましょう。退職理由を説明する義務はありませんが、理由が曖昧だとその後の面談で強く引き止められる原因になることも。「もしかしたら退職を思いとどまってくれるかも」と考える余地が生まれてしまいますからね。
反対に「〇月から△という企業に転職します」などと明確に説明されたら、組織としては納得するしかありません。
引き止めや交渉を回避したい人は、なるべくはっきりと退職理由を説明しておくのがおすすめです。
退職報告の詳しいタイミングや伝え方については以下の記事で解説しています。
【STEP2】面談による引き止め
退職の意向を報告した翌日あたりには、上司や人事担当者との面談が組まれるでしょう。その際には
- 退職そのものの撤回
- 退職時期の調整
この2項目について交渉が行われるはず。どのくらい強硬に交渉されるかは、あなたが担当している業務や代替人員の確保が難しいかどうかで変わってきます。
しっかりと自分の希望を伝えられるように退職理由などを整理しておきましょう。
特に年休の取得に関しては要注意。この段階でしっかりと組織側に年休消化期間を伝えておくことが必須です。「年休をすべて使い切って退職する」というのは組織側の理解を得にくいポイント。「そんなことをされたら仕事が回らない」「今まで退職した職員はそんなことをしなかった」など、硬軟織り交ぜて拒否される可能性があります。
毅然とした態度で堂々と使いましょう
引き止めに関する筆者の体験談は以下の記事で詳しく解説しています。
【STEP3】退職願の提出
組織との交渉が終わり、退職や退職日が確定したらいよいよ退職願の提出です。書類自体は簡単な内容なので、退職日が決まっていればすぐに作成できるでしょう。
退職願を作成するタイミングでは、上司はもちろん人事担当者もあなたの退職を把握しているはず。提出のタイミングについては担当者と相談しつつ決めるとスムーズです。
詳しい記載内容や実際の様式は以下の記事で解説しています。
【STEP4】最終勤務日まで:引き継ぎや残務処理
最終勤務日までの間は残務処理をしつつ引き継ぎの準備をしていきます。普段より忙しくなってしまうことが想定されますが、退職までのわずかな間と割り切って頑張りましょう。公務員から解放されるのはもうすぐです。
業務の引き継ぎは民法で定める信義則の観点からも必須の作業です。引き継ぎを全くしない場合、不法行為(債務不履行)に該当してしまう可能性もあるため注意しましょう。
可能であれば、普段から少しづつ引き継ぎ書を作成しておきたいところ。
早めに動き出すのが大事です
関係各所への周知も忘れずに
引き継ぎとは自分が担当する業務を後任者に引き継ぐだけではありません。関係する部署や他所属の関係者など、あなたの退職によって影響を受けるすべての人に対して自分が退職する旨を伝えておきましょう。
特に異なる組織・部署の担当者はあなたの退職を知る術がありませんからね。
- お世話になったお礼
- 退職日
- 後任者の氏名や連絡先
このあたりをメールなどのメッセージで連絡しておくとスムーズです。
また、退職日が近づいてきたら、貸与品や身分証明書などを組織に返却していきます。あなたが返却して回るというよりは、物品担当者からの依頼にもとづいて返却していくことになるでしょう。
あなたが普段使いしていた物品は、すべて税金で購入されたもの。こっそり持ち帰ったりすることのないようにしましょうね。
最終勤務日を迎えた後は、退職日まで年休消化期間に入っておしまいです。ここまでたどり着けば実質的には退職できたようなもの。しっかりと年休を取得できるよう、最終勤務日までには確実に引き継ぎを済ませておきたいですね。
通勤するのは少し楽しいですよ
【STEP5】退職日:辞令交付・挨拶など
あなたの退職日には任命権者から退職辞令が交付されます。この退職辞令をもってあなたは正式に公務員の職を免じられることに。お疲れさまでした。
このとき辞令交付式があるかどうかは組織によって異なります。市区町村など小さな組織のほうが辞令交付式が開催されやすい印象。組織としての正式な辞令交付式がない場合は、退職日に課長などの上司から辞令が手渡しされるでしょう。
退職辞令は郵送してもらうことも可能なので、出席するかどうかはあなたの状況や気持ちによって選んでok。気まずければ欠席しましょう。
退職辞令の交付について詳しくは以下の記事で解説しています。
退職日に辞令を受け取りに行く場合は、その際に挨拶・スピーチを求められるケースが多いです。筆者も退職のたびに挨拶スピーチをしています。
「なにを話せばいいかわからない…」という人は以下の記事を参考にしてください。挨拶スピーチの注意点や3種類のテンプレートを記載しています。
退職辞令が交付されたら、晴れてあなたは自由の身です。次のステップに向けて歩き出しましょう。
退職手続き中にトラブルが起こったら…
世の中には退職手続き中にトラブルが発生してしまい、思いどおりの条件で辞められなかった公務員が多数存在します。特に年休の取得に関して、上司などの組織側と折り合いがつかないケースは少なくありません。
- 退職を報告しても無視される
- 上司が退職願を受理してくれない
- 退職時に年休を使い切らせてくれない
こんな人は弁護士が運営する退職代行サービスを利用して、年休をすべて使い切りつつスムーズに退職するのがおすすめです。弁護士であれば退職願の作成・提出や年休取得などの交渉も可能。
- もう二度と職場に行きたくない
- 退職手続きでストレスを受けたくない
- 自分の権利はしっかりと行使したい
こんな悩みを解決してくれるでしょう。
この退職代行は自力では年休を取得させてもらえない人には必須のサービス。公務員の給料は日割り計算で支給されるため、年休1日=1万円くらいの価値があります。年休を20日使うことで月給(20~30万円)くらいの収入になりますからね。
20日の年休を余らせたまま辞めるのは、30万円をドブに捨てる行為と同じなのです。
退職する人がたくさんいるのが現状です
- 弁護士に5万円払うと、30万円もらえるうえに手間とストレスも減る
こんなサービスがあったら、使わない人はいませんよね?
転職するにせよ一旦休むにせよ、公務員退職後はなにかとお金が必要なもの。あなたが持っている権利はしっかりと使い切って賢く退職しましょう。
なお世の中には似たような退職代行サービスがたくさんありますが、公務員が利用できるのは「弁護士が運営するもの」一択です。民間業者・労働組合が運営主体だと、退職願の作成や年休取得の交渉をすることができませんからね。
公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。
- ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
- 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
- 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない
こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。
筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。
しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。
そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。
もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。
公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。
ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?
あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。
各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。
- 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
- 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること
下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。
- 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
- 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策
記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。
記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと
- 元公務員として、内側からの視点
- フリーランスとして、外側からの視点
この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。
「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。
note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。
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『「なにから始めれば…?」公務員退職手続きの流れ【5STEP】』のまとめ
- 最初のステップは「いつ上司に報告するか」
- 引き継ぎや年休消化も考慮して段取りを組もう
- どうしてもめんどくさければ退職代行に丸投げしよう
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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