公務員が月の途中で退職するとき給料は日割りされる
こういったお悩みにお答えします。
月の途中で公務員を離職する場合、給料や諸手当の計算がどうなるか気になりますよね。自己都合で公務員を退職する場合、必ずしも退職日が年度末や月末になるとは限りません。
その際に給料等の算出方法を知らずに退職日を決めると、場合によっては損をしてしまうことも。
この記事では
これらについて解説していくので、最後まで読むとどのタイミングで退職するのが最もお得かがわかります。
諸手当は日割りされるもの・されないものが混在しています
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。
月の途中で退職すると給料は日割りになる
月の途中で公務員を退職した場合、給料は日割り計算で支給されます。
退職のタイミングによる損得はありません
給与に関する法律
国家公務員では、一般職の職員の給与に関する法律第9条第2項の4で
第一項又は第二項の規定により俸給を支給する場合であつて、月若しくは前条ただし書に規定する各期間(以下この項において「期間」という。)の初日から支給するとき以外のとき、又はその期間の末日まで支給するとき以外のときは、その俸給額は、その期間の現日数から勤務時間法第六条第一項及び第四項、第七条並びに第八条の規定に基づく週休日の日数を差し引いた日数を基礎として日割りによつて計算する。
と定められています。
地方公務員の場合は各自治体の条例や規則によりますが、基本的には国家公務員と同様に日割りされる決まりになっているはず。
国家公務員・地方公務員ともに、給料に関してはいつ辞めても損得が発生しないということを押さえておきましょう。
諸手当についての取り扱いはさまざま
公務員は給料と合わせて住居手当・扶養手当などなんらかの手当も支給されている人がほとんどでしょう。月の途中で退職した場合、これらの手当に関する取り扱いはさまざまです。
茨城県の事例では上の画像のとおり整理されています。
- 調整額
- 農林漁業普及指導手当
- 地域手当
- 特地勤務手当等
- 管理職手当
- 初任給調整手当
- 特殊勤務手当
これらの手当は日割り計算され
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 単身赴任手当
- 寒冷地手当
これらの手当は日割りされません。勤務に準じて発生する手当については日割り・そうでないものについては日割りせず、という考え方のようですね。
なお日割りされない手当に関しては、月途中で退職しても満額支給されます。
手当の取り扱いについては情報が少ないですが、ほかの組織でもおおむね同一のはず。
扶養手当・住居手当などの日割りされない手当を受給している人は月の上旬に退職したほうがお得になるようですね。
もう1日在職したいところ
月途中での退職は退職手当にも影響
ここまで給料・諸手当について見てきましたが、あなたが退職する日付は退職手当の算定にも影響を及ぼします。ほとんどの人は気にしなくて構いませんが、勤続年数が変わる場合だけ要注意。
人事院ホームページによると
退職手当は、次のように計算されます。
退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額
と定められており、あなたの勤続期間によって“退職理由別・勤続期間別支給割合”の値が変わってきます。
出典元:人事院ホームページ
この表のとおり勤続期間は年単位(端数切捨て)で影響するため、勤続年数が中途半端になると損をしてしまいます。
例えば4月1日採用の人が2月中の日付で退職すると、11ヶ月分が端数として切り捨てられてしまうためもったいないことに。どうせならもう少し我慢して、3月1日に退職するのがおすすめです。
退職月は「退職日の属する月」とされているため、退職日が3月1日でも3月31日でも同じ「3月中の退職」として扱われます。退職のタイミングを決めるときは、勤続年数が変わるかどうかを意識しましょう。
10万円~15万円くらい上がります
ボーナスの基準日も検討しよう
損をしないように退職日を決めるのであれば、ボーナスの基準日も検討しましょう。せっかくなら、ボーナスをもらってから退職したいですよね。
ボーナスの対象となる基準日は、夏冬それぞれ6/1と12/1です。ただしこの基準日に在職している必要はなく、「その前1ヶ月以内」に退職した人も支給対象。5月中・11月中に退職した人もボーナスを受け取ることができるのです。
ボーナスの支給について詳しくは以下の記事をお読みください。
公務員が「泥船化」する原因と、今日からできる対処法
残念ですが、公務員という安定していない職業を選んだ人は、今後どんどん悪化していく労働環境と向き合っていかなくてはなりません。公務員はもはや「沈みゆく泥船」なのです。
- ほとんど仕事をしてない人が高給取りなのはおかしい
- 割り当てられる仕事量が、周りと比べてやたら多く感じる
- 古くて非合理的な仕組みが多く、やりがいを感じられない
こんなふうに思ったことがある人は特に要注意。このまま思考停止で働き続けていると、悪化していく労働環境に押しつぶされ精神を病むなど人生が台無しになってしまうかもしれません。
筆者も以前は公務員が泥船であることに気づかず、「定年まで公務員なんだろう」と思考停止で過ごしていました。組織への不満や理不尽さにモヤモヤを感じながらも「社会ってこんなもん」と自分を納得させながら過ごす日々。
しかし、ある年の人事異動により状況が激変しました。理不尽な業務量により忙殺される毎日が始まったのです。周囲からの助けや理解も得られず、「なんで自分だけこんな目に合うんだろう…」とひとりで悩み続けていました。
そんな生活を続けるうち「このままでは、自分の心身が壊れてしまう」と強い危機感を抱き、自分の身を守るために行動を始め、公務員を退職するに至ったのです。
もしあのまま思考停止で公務員生活を続けていたら、今頃はどうなっていたかわかりません。かなりの高確率でうつ病などを発症していたのではないでしょうか。
公務員を退職した今では、フリーランスのブロガー・ライターとして楽しくお金を稼ぎながらストレスのない生活を送っています。
ここで提案なのですが、あなたも今から対策を打っておきませんか?
あらかじめ準備をしておくことで、いざというときに選択肢を増やすことができます。精神的に追い詰められてなお公務員にしがみつき、心身の健康を損なってしまう…そんな最悪の未来を避けることができるでしょう。
各種法令による制限を受けている公務員ですが、在職中でも自分の身を守るために打てる手はあります。
- 筆者が脱公務員を意識するようになってから始めたこと
- 在職中は知識不足で始められず、退職後に後悔していること
下記のnote記事ではこれらについて紹介しているので、「公務員生活に不満はあるが、なにをすればいいかわからない」という人も行動を始めやすくなるでしょう。
- 記事の前半:公務員組織の現状と将来予測
- 記事の後半:在職中の公務員が今日から取るべき対策
記事はこのような二部構成になっています。もともとは別の記事としてリリースする予定だったものを1本にギュッとまとめました(その結果としてかなりの大ボリュームに…)。前半の情報が頭に入っていないと、後半の「対策」に取り組む人の割合がガクっと下がってしまうと考えたためです。
記事の執筆にあたっては、信頼できる公的資料をベースにするのはもちろんのこと
- 元公務員として、内側からの視点
- フリーランスとして、外側からの視点
この両面から分析することではじめて見えてきた内容を数多く記載しています。まずは前半部分で、あなたを取り巻く職場環境がなぜ悪化していくのかを把握してください。そのうえで、後半部分で解説している対策に取り掛かるのがおすすめです。
「泥船」という例えのとおり、行動を起こすのも実際に逃げ出すのも早い者勝ちです。早期に行動を始めることで、半年後・一年後には周りの職員と大きな差をつけることができるでしょう。
note記事の冒頭部分(2,000文字以上)は無料で読めるため、気になった人は一度ご確認ください。
※販売部数が増えるごとに値上げしていく予定なので(購入していただいた方に申し訳ないので、値下げは絶対にしません)、購読するならお早めにどうぞ。
『公務員が月の途中で退職するとき給料は日割りされる』のまとめ
- 給与は日割り計算されるため、いつ辞めても損得なし
- 手当については日割り計算されるもの・されないものとさまざま
- 退職手当やボーナス基準日も意識して退職日を決めよう
ここまでお読みいただきありがとうございました!
公務員からの退職を検討している人は以下の記事も合わせてお読みください。公務員退職の現状に関する知識から実際の退職手続きまでを1記事で網羅的に理解できます。